読書:藤原正彦『国家の品格』批評
2006年5月28日 読書
ISBN:4106101416 新書 藤原 正彦 新潮社 2005/11 ¥714
「Air」おわんねー。つーかプレイする時間が無い。
色々とやるべき事とやりたい事が溜まっていて、少しでも時間が惜しい毎日なんだけど、しかし講義の関係で新書を1冊読まなければならなくなった。
正直かったるい。
というのも、最近新書がブームになっているようだけど、僕は基本的に新書は好きじゃないのだ。
「わかりやすさ」が売れている理由。でもそれって、情報量がそれだけ減ってるってことじゃないの?
本当に学びたいことがあるのならば、その分野の概説書くらいは読むべきだと思う。楽して学ぼうなんて馬鹿の考えることだ。
まぁ、知識を役立てるんじゃなくて、単なる娯楽として捉えるならいいのかもしれないけど。
もう一つ、新書ってどうよ? と思う理由がある。このブームだ。
勿論、流行に流されるなんて嫌だ、みたいな低レベルな話じゃない。
ブームになれば、出版側は沢山の本を出そうとする。そうすると、どこの誰とも知れない怪しげな経歴を持っているような奴が書くことになる。結果、本の質が低下する。
小説以外の本(ま、小説でもそうだけど)を選ぶ際、最初に考えるべきことは、誰がその本を書いているのか? ということだ。気をつけていないと、とんでもないぶっ飛んだ内容の本を買わされる可能性が高い。
そんなトンデモ本を信じてると、いつか赤っ恥かかされるぞー。
そしてこの「国家の品格」は見事に駄目駄目。つーかそもそも、数学者がこんな本を書いているという時点でみんな疑問に思わないのか?
ナショナリズムに関する本が売れている、ということで買ってみたのだけど……。これは正直無いよ。
こんなん買うなら、「のだめカンタービレ」の1巻買いたかったっつーの。
まず、全体として論理展開が下手。これは、本の中で論理を否定している作者なりの皮肉なんだろうか。
「俺めっちゃ正しいこと言ってるんじゃね?」的論調も読んでいて苛つくし。
内容についても、作者の思い込みと知識不足が目立つ。
親孝行を神道の精神の表れとか言っているけど、そりゃ儒教だよ。
惻隠の心(=かわいそうだと思う心。「仁」のこと)が武士道精神の表れ? それも儒教だよ。孟子だよ。
というか、そもそも僕は「武士道=日本の精神」という考えは疑問視していたりする。
武士なんてたかだか全体の10%程度に過ぎない階層の思想を、かつての日本人全体の思想であるかのように扱って良いのか?
そもそも武士道なんて平和な江戸時代になってから生まれたもので、政治的意図絡みまくりだし。
新渡戸稲造だって「武士道」で「でも武士道が速攻で捨てられたのって、結局伝統に根ざしてなかったからなんだよねー」とか言ってるんだぞ? 本当に「武士道」読んだのか?(ちなみに僕は軽く流し読んだだけなので、何か誤解していたらごめんなさい)
他にも、例えば民主主義などについてもかなり勉強不足のようで、うん、ちょっと知識がある人なら呆れてしまうんじゃないだろうか。
結論。これは結構やばいレベルの本だぞ。
こんなん読んで「武士道こそが日本の〜」とか言ってる人は、もう少し本を読んだ方が良い。
この本が売れている、ということは、案外ナショナリズムに関する拒絶感というのは薄れてきているのだろうか。
これをきっかけにして、「日本人としての在り方」というものが議論されるようになってくれればと思う。
それ以外、この本に期待することは無い。
つーか期待できない。
時間と金の無駄だったなぁ。
「Air」おわんねー。つーかプレイする時間が無い。
色々とやるべき事とやりたい事が溜まっていて、少しでも時間が惜しい毎日なんだけど、しかし講義の関係で新書を1冊読まなければならなくなった。
正直かったるい。
というのも、最近新書がブームになっているようだけど、僕は基本的に新書は好きじゃないのだ。
「わかりやすさ」が売れている理由。でもそれって、情報量がそれだけ減ってるってことじゃないの?
本当に学びたいことがあるのならば、その分野の概説書くらいは読むべきだと思う。楽して学ぼうなんて馬鹿の考えることだ。
まぁ、知識を役立てるんじゃなくて、単なる娯楽として捉えるならいいのかもしれないけど。
もう一つ、新書ってどうよ? と思う理由がある。このブームだ。
勿論、流行に流されるなんて嫌だ、みたいな低レベルな話じゃない。
ブームになれば、出版側は沢山の本を出そうとする。そうすると、どこの誰とも知れない怪しげな経歴を持っているような奴が書くことになる。結果、本の質が低下する。
小説以外の本(ま、小説でもそうだけど)を選ぶ際、最初に考えるべきことは、誰がその本を書いているのか? ということだ。気をつけていないと、とんでもないぶっ飛んだ内容の本を買わされる可能性が高い。
そんなトンデモ本を信じてると、いつか赤っ恥かかされるぞー。
そしてこの「国家の品格」は見事に駄目駄目。つーかそもそも、数学者がこんな本を書いているという時点でみんな疑問に思わないのか?
ナショナリズムに関する本が売れている、ということで買ってみたのだけど……。これは正直無いよ。
こんなん買うなら、「のだめカンタービレ」の1巻買いたかったっつーの。
まず、全体として論理展開が下手。これは、本の中で論理を否定している作者なりの皮肉なんだろうか。
「俺めっちゃ正しいこと言ってるんじゃね?」的論調も読んでいて苛つくし。
内容についても、作者の思い込みと知識不足が目立つ。
親孝行を神道の精神の表れとか言っているけど、そりゃ儒教だよ。
惻隠の心(=かわいそうだと思う心。「仁」のこと)が武士道精神の表れ? それも儒教だよ。孟子だよ。
というか、そもそも僕は「武士道=日本の精神」という考えは疑問視していたりする。
武士なんてたかだか全体の10%程度に過ぎない階層の思想を、かつての日本人全体の思想であるかのように扱って良いのか?
そもそも武士道なんて平和な江戸時代になってから生まれたもので、政治的意図絡みまくりだし。
新渡戸稲造だって「武士道」で「でも武士道が速攻で捨てられたのって、結局伝統に根ざしてなかったからなんだよねー」とか言ってるんだぞ? 本当に「武士道」読んだのか?(ちなみに僕は軽く流し読んだだけなので、何か誤解していたらごめんなさい)
他にも、例えば民主主義などについてもかなり勉強不足のようで、うん、ちょっと知識がある人なら呆れてしまうんじゃないだろうか。
結論。これは結構やばいレベルの本だぞ。
こんなん読んで「武士道こそが日本の〜」とか言ってる人は、もう少し本を読んだ方が良い。
この本が売れている、ということは、案外ナショナリズムに関する拒絶感というのは薄れてきているのだろうか。
これをきっかけにして、「日本人としての在り方」というものが議論されるようになってくれればと思う。
それ以外、この本に期待することは無い。
つーか期待できない。
時間と金の無駄だったなぁ。
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