ゲーム:『Fate/ZERO』シナリオ担当はNitro+の虚淵玄!
2006年11月23日 ゲーム引き続き多忙。つーか11月に入ってから、一度も六時間以上睡眠がとれていないってのはどうなのよ。
だが、どんなに忙しくともこれについては書かねばなるまい。
かーずSPさん(http://hw001.gate01.com/karzu/)より。
『Fate/ZERO』
著:虚淵玄(Nitro+)
作画:TYPE-MOON
http://www.fate-zero.com/
き、き、きき、きたっ…………!
絶句。まさかまさかまさか、ここにきて冬コミ最大の話題作となろう超弩級の極大爆弾が投下されるとは。
え、マジ? 虚淵玄が? 第四次聖杯戦争? 征服王イスカンダルとか切嗣とか言峰とか遠坂父とかを? 虚淵玄が?
こいつら馬鹿だ。最高の馬鹿だ。絶対に虚淵玄が「あー、Fate書きてぇー」とか言って奈須きのこが「あ、それ読みたい」で企画が立ったに違いない。会社の規模とかが小さくて、ある意味同人に凄く近しい場所にあるエロゲー界隈だからこそ出来ることだろうなぁ。しかもNitro+は古橋版デモンベインを滅茶苦茶好きにやらせてるようなとこだし、TYPE-MOONは元々同人だし。お前ら最高に馬鹿すぎ。
で、委託するよね? 今年の冬コミはどう足掻いても行けそうにないのだけど。いたくするよね? うらぎらないよね? しんじてるよ?
虚淵玄はNitro+の仕事しなくていいのかなぁ、とか思いつつあーもうめっちゃ楽しみだわ。
これで年末までは頑張れる、と思いつつ二徹でレポートを書き続ける僕。そろそろ休日とやらをくれてもバチはあたらないような気がするけどなぁ。
だが、どんなに忙しくともこれについては書かねばなるまい。
かーずSPさん(http://hw001.gate01.com/karzu/)より。
『Fate/ZERO』
著:虚淵玄(Nitro+)
作画:TYPE-MOON
http://www.fate-zero.com/
き、き、きき、きたっ…………!
絶句。まさかまさかまさか、ここにきて冬コミ最大の話題作となろう超弩級の極大爆弾が投下されるとは。
え、マジ? 虚淵玄が? 第四次聖杯戦争? 征服王イスカンダルとか切嗣とか言峰とか遠坂父とかを? 虚淵玄が?
こいつら馬鹿だ。最高の馬鹿だ。絶対に虚淵玄が「あー、Fate書きてぇー」とか言って奈須きのこが「あ、それ読みたい」で企画が立ったに違いない。会社の規模とかが小さくて、ある意味同人に凄く近しい場所にあるエロゲー界隈だからこそ出来ることだろうなぁ。しかもNitro+は古橋版デモンベインを滅茶苦茶好きにやらせてるようなとこだし、TYPE-MOONは元々同人だし。お前ら最高に馬鹿すぎ。
で、委託するよね? 今年の冬コミはどう足掻いても行けそうにないのだけど。いたくするよね? うらぎらないよね? しんじてるよ?
虚淵玄はNitro+の仕事しなくていいのかなぁ、とか思いつつあーもうめっちゃ楽しみだわ。
これで年末までは頑張れる、と思いつつ二徹でレポートを書き続ける僕。そろそろ休日とやらをくれてもバチはあたらないような気がするけどなぁ。
ゲーム:『Air』感想その3
2006年6月3日 ゲーム
CD-ROM KEY 2001/07/19 ¥9,240
――the 1000th Summer――
ついに「Air」終了。以下各シナリオの感想、及び総評。
ネタバレ注意。
・観鈴シナリオ
…………何これ?
としか言いようが無かった。終わった直後は。
まぁ、全部終わらせた今ならわかるけれど、これは「Air」のプロローグなのだ。
夢を終わらせ、夏が過ぎて、ついにそこに至る。
彼女が待つ、その大気の下に。
往人が「人を笑わせたい」という初心を思い出すシーンは良かった。
でも他は正直微妙。だっていきなり観鈴がぶっ倒れたりするのって、この時点じゃわけわかんねぇんだもん(笑)。
まぁ、このシナリオ単体を評価するのは無意味だよね。
・Summer編
凄く良かった。
うん、確かに驚いた! シナリオ始めると、いきなり「正歴5年」とか出るからね! これで驚かない奴はいねーから!
でもまぁ、裏葉と神奈と柳也、三人の掛け合いとかいいし。てゆーかね、神奈がもうね、可愛い過ぎ。
村娘の格好を柳也に見せたくないとか、骨張っているって言われたのを何気に気にし続けてるとかね。
最高。僕的に見事ツボった。
往人の持つ、「法術」とは何なのか。
佳乃が触れ、白穂の子供が触れた、「羽根」は。
往人の一族が探し続け、みちるが言っていた「女の子」。
そして。何故、観鈴があのようになってしまったのか。
Dream編で明かされなかったこれらのことが、このシナリオで全て明かされる。
そして、それだからこそ、これはとても悲しい物語だ。
道中ずっと練習していたお手玉を、最後(最期、かな?)まで母の前で成功させられなかった神奈。
夢とわかっていながら、家族のように暮らす未来を話し続ける三人。
自ら死地へと向かい、柳也と裏葉へ「達者で暮らせ」と言う神奈。
神奈に掛けられた、平穏を願う僧達の心の結晶でもある呪い。
救われるまで、永遠に柳也の死体に縋り付いて泣き続ける神奈。
自分達では救うことが出来ず、子供に願いを託すしか無かった柳也と裏葉。
そんな多くの悲しみがありながら、しかしこのシナリオは希望に満ちている。
まぁ旅の道中が明るい雰囲気だったからそう感じた、というのもあるかもしれないけれど、やっぱり「三人が『家族』だったから」というのが一番大きいように思う。
神奈を失った後も、柳也と裏葉は絶望しない。神奈を何とか救う方法は無いのかと模索し続ける。
そして、柳也を失ってしまった後の裏葉も精一杯前向きに生きていくのだろう。
大切な人を失って、何故希望を失わずに居られるのか。
それは、いつも傍に誰かが居てくれたからだ。神奈を失ってしまった柳也には裏葉が居て、柳也を失ってしまった裏葉には二人の子供が居た。
辛い時や悲しい時、いつも傍に居て支えてくれる誰か。
それって「家族」なんじゃねーの?
柳也の「まるで仲の良い家族のようだな」という台詞が物凄く印象に残った。
そう。Dream編の往人と美凪、みちる達のように。
彼らもまた、家族だったのだろう。
・Air編
そして――、1000度目の夏。
飛べない鴉は、1人の少女に出会う。
「Air」というゲームの本編とも呼べるシナリオ。
多分、「Air」で泣いた人は大半がこのシナリオで泣いたのだと思う。
けど、うん、ぶっちゃけ僕としてはSummer編の方が面白かったし、感動したかな。
まぁ、これに関しては完全に好みの問題でしょう。
ただ、音楽はもうこれまでにも増して凄い。「青空」とか反則だからアレ(笑)。
Dream編での往人が「そら」という名の鴉になり(転生?)、観鈴を見守っているのだけど、まぁ正直Air編の主人公は晴子さん。
誕生日や温泉旅行云々など、晴子さんの本音が明かされていく。
そして橘家から帰ってきた晴子さんが「母」として――というのがAir編のキモなのだけど、さっきも書いた通り、僕はその部分にあまり思い入れが無い。ので、サックリ飛ばすことにする。
往人は人形に願う。もう1度、観鈴と一緒にやり直したい。
それは叶えられたけれど、記憶も失われかけた1羽の鴉としてだった。
出来たのは、観鈴が1人きりの時に傍に居ることだけ。一度抱き締めてやることだけだ。
法術(方術)使いの家系が1000年かけて翼人の女の子に出来たことは、それだけだった。
だけど、たったそれだけ。それだけのことが、あの奇跡を引き起こした。
さっきのSummer編のところでも書いたけれど、「傍に居てくれる人=家族の大切さ」というのが、「Air」のテーマの一つなのだと思う。
観鈴がゴールに辿り着いた後。
そら(=往人=柳也の生まれ変わり?)は初めて空を舞い、探し続けていた「空にいる少女(=神奈)」へ会いに行く。
「この星の最初の記憶」(=観鈴が見た、恐竜と一緒に飛ぶ夢)と「幸せな日々の記憶」を持って。
そして。
最後の翼人は、ついに悪夢から開放されるのだ。
最後の二人については、「少年=往人の生まれ変わり=柳也の生まれ変わり」で「少女=観鈴の生まれ変わり=神奈の生まれ変わり」なのかなぁ、とも思うけれど。
でもこの二人ってのは、なんつーか、そういう細かい設定の整合性とか関係無くて、「Air」という物語そのものの象徴なんじゃないか、という気もする。
・総評
音楽がとにかく素晴らしかった。それで全て許せるくらい。
「鳥の詩」「青空」「夏影」が特にお気に入り。
あと、「縁」のサブタイトルがたまらない。だって「the way so far」ですよ? 「その道は、あまりに遠く」。「縁」でそのサブタイトルってのが、なんかこう、最高。
プレイして良かった。全体を通じて、そう思える作品だったと思う。
「Air」。名作、と言っても良い出来。
最後に。
全体のテーマとして「家族」というのがあると思うのだけど、それと共に「受け継がれるもの」というテーマもあるんじゃないかと思う。
人間1人の人生なんて、ちっぽけなもんだ。僕が明日殺されたとしても、世界は何も変わらない。
だけど、そういう1人1人の人生が束ねられて、流れが出来る。その内の幾つかは人々に記憶され、受け継がれていく。
そうして僕達が必死こいて足掻きながら生きていく限り、流れが止まることは無い。
世界はまわる。
君をのせて。
僕をのせて。
――the 1000th Summer――
ついに「Air」終了。以下各シナリオの感想、及び総評。
ネタバレ注意。
・観鈴シナリオ
…………何これ?
としか言いようが無かった。終わった直後は。
まぁ、全部終わらせた今ならわかるけれど、これは「Air」のプロローグなのだ。
夢を終わらせ、夏が過ぎて、ついにそこに至る。
彼女が待つ、その大気の下に。
往人が「人を笑わせたい」という初心を思い出すシーンは良かった。
でも他は正直微妙。だっていきなり観鈴がぶっ倒れたりするのって、この時点じゃわけわかんねぇんだもん(笑)。
まぁ、このシナリオ単体を評価するのは無意味だよね。
・Summer編
凄く良かった。
うん、確かに驚いた! シナリオ始めると、いきなり「正歴5年」とか出るからね! これで驚かない奴はいねーから!
でもまぁ、裏葉と神奈と柳也、三人の掛け合いとかいいし。てゆーかね、神奈がもうね、可愛い過ぎ。
村娘の格好を柳也に見せたくないとか、骨張っているって言われたのを何気に気にし続けてるとかね。
最高。僕的に見事ツボった。
往人の持つ、「法術」とは何なのか。
佳乃が触れ、白穂の子供が触れた、「羽根」は。
往人の一族が探し続け、みちるが言っていた「女の子」。
そして。何故、観鈴があのようになってしまったのか。
Dream編で明かされなかったこれらのことが、このシナリオで全て明かされる。
そして、それだからこそ、これはとても悲しい物語だ。
道中ずっと練習していたお手玉を、最後(最期、かな?)まで母の前で成功させられなかった神奈。
夢とわかっていながら、家族のように暮らす未来を話し続ける三人。
自ら死地へと向かい、柳也と裏葉へ「達者で暮らせ」と言う神奈。
神奈に掛けられた、平穏を願う僧達の心の結晶でもある呪い。
救われるまで、永遠に柳也の死体に縋り付いて泣き続ける神奈。
自分達では救うことが出来ず、子供に願いを託すしか無かった柳也と裏葉。
そんな多くの悲しみがありながら、しかしこのシナリオは希望に満ちている。
まぁ旅の道中が明るい雰囲気だったからそう感じた、というのもあるかもしれないけれど、やっぱり「三人が『家族』だったから」というのが一番大きいように思う。
神奈を失った後も、柳也と裏葉は絶望しない。神奈を何とか救う方法は無いのかと模索し続ける。
そして、柳也を失ってしまった後の裏葉も精一杯前向きに生きていくのだろう。
大切な人を失って、何故希望を失わずに居られるのか。
それは、いつも傍に誰かが居てくれたからだ。神奈を失ってしまった柳也には裏葉が居て、柳也を失ってしまった裏葉には二人の子供が居た。
辛い時や悲しい時、いつも傍に居て支えてくれる誰か。
それって「家族」なんじゃねーの?
柳也の「まるで仲の良い家族のようだな」という台詞が物凄く印象に残った。
そう。Dream編の往人と美凪、みちる達のように。
彼らもまた、家族だったのだろう。
・Air編
そして――、1000度目の夏。
飛べない鴉は、1人の少女に出会う。
「Air」というゲームの本編とも呼べるシナリオ。
多分、「Air」で泣いた人は大半がこのシナリオで泣いたのだと思う。
けど、うん、ぶっちゃけ僕としてはSummer編の方が面白かったし、感動したかな。
まぁ、これに関しては完全に好みの問題でしょう。
ただ、音楽はもうこれまでにも増して凄い。「青空」とか反則だからアレ(笑)。
Dream編での往人が「そら」という名の鴉になり(転生?)、観鈴を見守っているのだけど、まぁ正直Air編の主人公は晴子さん。
誕生日や温泉旅行云々など、晴子さんの本音が明かされていく。
そして橘家から帰ってきた晴子さんが「母」として――というのがAir編のキモなのだけど、さっきも書いた通り、僕はその部分にあまり思い入れが無い。ので、サックリ飛ばすことにする。
往人は人形に願う。もう1度、観鈴と一緒にやり直したい。
それは叶えられたけれど、記憶も失われかけた1羽の鴉としてだった。
出来たのは、観鈴が1人きりの時に傍に居ることだけ。一度抱き締めてやることだけだ。
法術(方術)使いの家系が1000年かけて翼人の女の子に出来たことは、それだけだった。
だけど、たったそれだけ。それだけのことが、あの奇跡を引き起こした。
さっきのSummer編のところでも書いたけれど、「傍に居てくれる人=家族の大切さ」というのが、「Air」のテーマの一つなのだと思う。
観鈴がゴールに辿り着いた後。
そら(=往人=柳也の生まれ変わり?)は初めて空を舞い、探し続けていた「空にいる少女(=神奈)」へ会いに行く。
「この星の最初の記憶」(=観鈴が見た、恐竜と一緒に飛ぶ夢)と「幸せな日々の記憶」を持って。
そして。
最後の翼人は、ついに悪夢から開放されるのだ。
最後の二人については、「少年=往人の生まれ変わり=柳也の生まれ変わり」で「少女=観鈴の生まれ変わり=神奈の生まれ変わり」なのかなぁ、とも思うけれど。
でもこの二人ってのは、なんつーか、そういう細かい設定の整合性とか関係無くて、「Air」という物語そのものの象徴なんじゃないか、という気もする。
・総評
音楽がとにかく素晴らしかった。それで全て許せるくらい。
「鳥の詩」「青空」「夏影」が特にお気に入り。
あと、「縁」のサブタイトルがたまらない。だって「the way so far」ですよ? 「その道は、あまりに遠く」。「縁」でそのサブタイトルってのが、なんかこう、最高。
プレイして良かった。全体を通じて、そう思える作品だったと思う。
「Air」。名作、と言っても良い出来。
最後に。
全体のテーマとして「家族」というのがあると思うのだけど、それと共に「受け継がれるもの」というテーマもあるんじゃないかと思う。
人間1人の人生なんて、ちっぽけなもんだ。僕が明日殺されたとしても、世界は何も変わらない。
だけど、そういう1人1人の人生が束ねられて、流れが出来る。その内の幾つかは人々に記憶され、受け継がれていく。
そうして僕達が必死こいて足掻きながら生きていく限り、流れが止まることは無い。
世界はまわる。
君をのせて。
僕をのせて。
ゲーム:『Air』感想その2
2006年5月21日 ゲーム
CD-ROM KEY 2001/07/19 ¥9,240
AIRレビュー2回目。
取り敢えず睡眠時間を削って鬼プレイを敢行、佳乃と美凪のルートを終わらせた。疲。
全体的な印象は、前回のレビューと殆ど変わっていない。相変わらず掛け合いは軽快で、シリアスは冗長で、音楽は素晴らしい。
さて。
このゲーム、カテゴライズするならば「恋愛アドベンチャー」というジャンルになるのだろう。
でも、このゲームのシナリオ(少なくとも僕が終わらせた二人)においては、「恋愛」というのは一つの「きっかけ」でしか無い。
恋愛という主人公との交流を通し、それぞれのヒロインの歪んだ「家族」が浮かび上がって、そしてその解決を描く、というものになっている。
これが多分、この作品に(比較的)女性ファンが多いという理由だと思う。男性から見た恋愛観があるとは言え、それがメインではないというのは大きいんじゃないだろうか。
というわけで、以下は個々のシナリオについて思ったことを述べていく。
ネタバレしているので注意。
・佳乃シナリオ
はっきり言って薄味。
最初から最後まで感情移入出来ず、結局「ふーん」で終わってしまった。
これは多分、ヒロインの心理描写不足なのでは無いかと思う。
このシナリオにおいて、自分に何が起きているのかを佳乃は知ることが出来ない。正確に言うと、主人公や聖の態度から「何かある」ということを察してはいたが、その詳細を知ることは出来ないのだ。
更に、プレイヤーは「佳乃が『何かある』と察していた」ことを知ることが(シナリオのラスト直前まで)出来ない。何故ならこのゲームは主人公の一人称であるため、基本的に「主人公の持つ情報=プレイヤーの持つ情報」であるからだ。起きてから佳乃が居ないことに気付き、慌てる主人公を描くためには、そうでなければならなかった。
つまり、このゲームの構成だと、「佳乃が自分に起きていることについてどう感じているのか」ということがまったく描写できない、ということになる。主人公や聖が苦悩してはいるが、肝心の本人が置いてけぼりになってしまう。
だから「空に行くことにした」という佳乃の行動はプレイヤーにとって唐突に思えてしまうし、感情移入することも難しい。
解決方法も、主人公の持つ「法術」によるものであって、佳乃がどうこうできるような物でもなかった。
これらの理由が、このシナリオを薄味にしてしまっているんじゃないだろーか。
上記の問題を補うためなのか、佳乃自身が解決しなくてはならない問題というのも存在した。
腕のバンダナがそれだ。
リストカットを防ぐため、「大人になるまで外さなければ魔法が使えるようになる」と聖が付けさせたバンダナ。
佳乃は律儀にもそれを守ってきた(本人申告だから、実は外したことがあるという可能性も無いことは無いけどな)けど、「魔法」なんて嘘だってことは本人にもわかっているのだろう(だからこそ、魔法のような「法術」が使える主人公に惹かれたわけで)。
でも、外せない。主人公が無理に外そうとすると、バッドエンドで町を出ることになってしまうしね(笑)。
それを初めて外すのは主人公とのセックスの時なわけで、つまりこれは大人になる象徴として扱われているのだろうけど、うん、ぶっちゃけ印象薄い。シナリオの中核として扱うには余りに描写不足。しかもセックスの後また会う時には、結局また付けてるっていう。
おまけにセックスの時外すのは主人公で、佳乃本人じゃないしね。
つまり、佳乃はアクティブな少女として描かれているけど、自ら問題を解決したことは無いのだ。出来ない問題ばかりだった、という方が正しいかもしれない。
そゆーことを考えると、やっぱりヒロインが薄っぺらくなってしまうのも仕方無いなぁ、と思う。
正直、どう考えても聖&ポテトルートです。本当にありがとうございました。
・美凪シナリオ
良かった。
みちるがお気に入り(って書くとなんかロリっぽいけど)。主人公を何故かフルネームで呼ぶのがいいねー。
美凪のキャラクターもいい味を出していて、うん、感動したとまではいかないけど、やっていて面白いシナリオだったと思う。
ちなみにエロシーンは普通にエロくて驚いた(例によっておまけ以下の扱いだったけど)。
さて。
これはつまり、「夢」(思い出、とも言いかえられる)から脱却しようとする物語だ。
二番目の子供を流産してしまった美凪の母親(以下母)。一番目の娘が父親好きだったのを寂しく思っていた母は、いつしか精神を病んでしまう。
一番目の子供――美凪を、生まれてこなかった子供の名前「みちる」と呼び始めてしまうのだ。
名前というのは認識そのもので、名づけるとは「在ることを認め識る」ということ。
更に、子供への命名というのは「こうあって欲しい」という祝福でもある(「命名」ということについてはいずれちゃんと書くつもり)。
「あなた達の未来が、いつも美しい凪でみちていますように」
そう願ってつけられた名前がこうなるのは、何とも皮肉的であり、そして哀しいことだ。
一方。自分が「みちる」として母に認識されることを「自分への罰」(この辺どーにも嘘くさくて、僕としては好きじゃないのだけど)として受け入れていた美凪は、ある日幼い少女に出会う。
その少女は「みちる」という名前で、その少女の前ならば、彼女は「美凪」であることが出来た。二人は親しくなり、実の兄弟のようになる。
しかしその「みちる」は、結局「夢」でしかなかった。
結果的には、ある意味これで上手くいっていた、とも言える。美凪自身が「みちる」と呼ばれることを受け入れていたのだから。
「夢」ではあったけど、全員がそれなりに幸せでもあった。
しかし、母が正常に戻ってしまうことからそれは崩壊する。
かつて「美凪」を失い、更に「みちる」をも喪失してしまった母は、「娘なんて一人も居なかった」と思い込んでしまう。何かを失ってしまった、という喪失感のみを持って、どうしようもなくなってしまうのだ。
ここで、物語の重要な転機が訪れる。美凪は、自分が「みちる」ではなく「美凪」であると母に訴えることが出来るのか。自分を再び「在ることを認め識ってもらう」ことができるのか。
それは、主人公が今までにどんな行動をしてきたか(ぶっちゃけプレイヤーがどんな選択肢を選んだか)次第だ。
さて。
僕がこのシナリオで良いと感じたのは、美凪自身の行動によって問題が解決することだ。
前述した佳乃シナリオとは対照的になっている。
夢を見ることを止め、思い出に浸るのも終わりにして、現実に向き合うことを選択する。
ありがちだけど、やっぱりいいよなぁ。
前に進もうとする人の意志は尊い。
前に進もうとする美凪に対し、みちるは「思い出が欲しい」と言う。
消えてしまう前に、みちるだけの思い出が欲しい、と。
一見先ほどのものと矛盾するようだけど、そうじゃない。
「人は思い出無しでは生きていけないが、そればかりでもいけない」。
このシナリオで言われているのは、そういうことだ。
主人公が眠ってしまったみちるを背負い、月光を浴びながら美凪と並んで歩くCGがとても良い。
駅舎での三人の生活。
あれはとてもぎこちなくて、短くて、ままごとのような不完全なものだったけれど。
あの時、三人は間違い無く家族だったのだ。
とまぁ、どちらのシナリオが気に入ったのか丸分かりなレビューになってしまった。いや、書くのに2時間もかかってさ、そうするとやっぱ最初と最後でテンションが違ってきちゃうんだよね。うん。
残るは観鈴+何かあるらしいシナリオ。
いよいよメインヒロイン、気合入れていきます。
……とっとと.hack//G.U.もやりたいし、ね(笑)。
AIRレビュー2回目。
取り敢えず睡眠時間を削って鬼プレイを敢行、佳乃と美凪のルートを終わらせた。疲。
全体的な印象は、前回のレビューと殆ど変わっていない。相変わらず掛け合いは軽快で、シリアスは冗長で、音楽は素晴らしい。
さて。
このゲーム、カテゴライズするならば「恋愛アドベンチャー」というジャンルになるのだろう。
でも、このゲームのシナリオ(少なくとも僕が終わらせた二人)においては、「恋愛」というのは一つの「きっかけ」でしか無い。
恋愛という主人公との交流を通し、それぞれのヒロインの歪んだ「家族」が浮かび上がって、そしてその解決を描く、というものになっている。
これが多分、この作品に(比較的)女性ファンが多いという理由だと思う。男性から見た恋愛観があるとは言え、それがメインではないというのは大きいんじゃないだろうか。
というわけで、以下は個々のシナリオについて思ったことを述べていく。
ネタバレしているので注意。
・佳乃シナリオ
はっきり言って薄味。
最初から最後まで感情移入出来ず、結局「ふーん」で終わってしまった。
これは多分、ヒロインの心理描写不足なのでは無いかと思う。
このシナリオにおいて、自分に何が起きているのかを佳乃は知ることが出来ない。正確に言うと、主人公や聖の態度から「何かある」ということを察してはいたが、その詳細を知ることは出来ないのだ。
更に、プレイヤーは「佳乃が『何かある』と察していた」ことを知ることが(シナリオのラスト直前まで)出来ない。何故ならこのゲームは主人公の一人称であるため、基本的に「主人公の持つ情報=プレイヤーの持つ情報」であるからだ。起きてから佳乃が居ないことに気付き、慌てる主人公を描くためには、そうでなければならなかった。
つまり、このゲームの構成だと、「佳乃が自分に起きていることについてどう感じているのか」ということがまったく描写できない、ということになる。主人公や聖が苦悩してはいるが、肝心の本人が置いてけぼりになってしまう。
だから「空に行くことにした」という佳乃の行動はプレイヤーにとって唐突に思えてしまうし、感情移入することも難しい。
解決方法も、主人公の持つ「法術」によるものであって、佳乃がどうこうできるような物でもなかった。
これらの理由が、このシナリオを薄味にしてしまっているんじゃないだろーか。
上記の問題を補うためなのか、佳乃自身が解決しなくてはならない問題というのも存在した。
腕のバンダナがそれだ。
リストカットを防ぐため、「大人になるまで外さなければ魔法が使えるようになる」と聖が付けさせたバンダナ。
佳乃は律儀にもそれを守ってきた(本人申告だから、実は外したことがあるという可能性も無いことは無いけどな)けど、「魔法」なんて嘘だってことは本人にもわかっているのだろう(だからこそ、魔法のような「法術」が使える主人公に惹かれたわけで)。
でも、外せない。主人公が無理に外そうとすると、バッドエンドで町を出ることになってしまうしね(笑)。
それを初めて外すのは主人公とのセックスの時なわけで、つまりこれは大人になる象徴として扱われているのだろうけど、うん、ぶっちゃけ印象薄い。シナリオの中核として扱うには余りに描写不足。しかもセックスの後また会う時には、結局また付けてるっていう。
おまけにセックスの時外すのは主人公で、佳乃本人じゃないしね。
つまり、佳乃はアクティブな少女として描かれているけど、自ら問題を解決したことは無いのだ。出来ない問題ばかりだった、という方が正しいかもしれない。
そゆーことを考えると、やっぱりヒロインが薄っぺらくなってしまうのも仕方無いなぁ、と思う。
正直、どう考えても聖&ポテトルートです。本当にありがとうございました。
・美凪シナリオ
良かった。
みちるがお気に入り(って書くとなんかロリっぽいけど)。主人公を何故かフルネームで呼ぶのがいいねー。
美凪のキャラクターもいい味を出していて、うん、感動したとまではいかないけど、やっていて面白いシナリオだったと思う。
ちなみにエロシーンは普通にエロくて驚いた(例によっておまけ以下の扱いだったけど)。
さて。
これはつまり、「夢」(思い出、とも言いかえられる)から脱却しようとする物語だ。
二番目の子供を流産してしまった美凪の母親(以下母)。一番目の娘が父親好きだったのを寂しく思っていた母は、いつしか精神を病んでしまう。
一番目の子供――美凪を、生まれてこなかった子供の名前「みちる」と呼び始めてしまうのだ。
名前というのは認識そのもので、名づけるとは「在ることを認め識る」ということ。
更に、子供への命名というのは「こうあって欲しい」という祝福でもある(「命名」ということについてはいずれちゃんと書くつもり)。
「あなた達の未来が、いつも美しい凪でみちていますように」
そう願ってつけられた名前がこうなるのは、何とも皮肉的であり、そして哀しいことだ。
一方。自分が「みちる」として母に認識されることを「自分への罰」(この辺どーにも嘘くさくて、僕としては好きじゃないのだけど)として受け入れていた美凪は、ある日幼い少女に出会う。
その少女は「みちる」という名前で、その少女の前ならば、彼女は「美凪」であることが出来た。二人は親しくなり、実の兄弟のようになる。
しかしその「みちる」は、結局「夢」でしかなかった。
結果的には、ある意味これで上手くいっていた、とも言える。美凪自身が「みちる」と呼ばれることを受け入れていたのだから。
「夢」ではあったけど、全員がそれなりに幸せでもあった。
しかし、母が正常に戻ってしまうことからそれは崩壊する。
かつて「美凪」を失い、更に「みちる」をも喪失してしまった母は、「娘なんて一人も居なかった」と思い込んでしまう。何かを失ってしまった、という喪失感のみを持って、どうしようもなくなってしまうのだ。
ここで、物語の重要な転機が訪れる。美凪は、自分が「みちる」ではなく「美凪」であると母に訴えることが出来るのか。自分を再び「在ることを認め識ってもらう」ことができるのか。
それは、主人公が今までにどんな行動をしてきたか(ぶっちゃけプレイヤーがどんな選択肢を選んだか)次第だ。
さて。
僕がこのシナリオで良いと感じたのは、美凪自身の行動によって問題が解決することだ。
前述した佳乃シナリオとは対照的になっている。
夢を見ることを止め、思い出に浸るのも終わりにして、現実に向き合うことを選択する。
ありがちだけど、やっぱりいいよなぁ。
前に進もうとする人の意志は尊い。
前に進もうとする美凪に対し、みちるは「思い出が欲しい」と言う。
消えてしまう前に、みちるだけの思い出が欲しい、と。
一見先ほどのものと矛盾するようだけど、そうじゃない。
「人は思い出無しでは生きていけないが、そればかりでもいけない」。
このシナリオで言われているのは、そういうことだ。
主人公が眠ってしまったみちるを背負い、月光を浴びながら美凪と並んで歩くCGがとても良い。
駅舎での三人の生活。
あれはとてもぎこちなくて、短くて、ままごとのような不完全なものだったけれど。
あの時、三人は間違い無く家族だったのだ。
とまぁ、どちらのシナリオが気に入ったのか丸分かりなレビューになってしまった。いや、書くのに2時間もかかってさ、そうするとやっぱ最初と最後でテンションが違ってきちゃうんだよね。うん。
残るは観鈴+何かあるらしいシナリオ。
いよいよメインヒロイン、気合入れていきます。
……とっとと.hack//G.U.もやりたいし、ね(笑)。
ゲーム:『Air』感想
2006年5月17日 ゲーム
CD-ROM KEY 2001/07/19 ¥9,240
Air。
いわゆる「泣きゲー」としてオタク業界(ぶっちゃけるとエロゲー業界)に嵐を巻き起こした作品。
「泣ける」「超泣ける」「プレイ後1週間くらい廃人化した」「これで泣けない奴は人じゃない」など絶賛に次ぐ絶賛を浴び、エロゲー界の伝説となった。
男性向けに作製された物ではあるが、女性ファンも多い(他と比較して、の話だけど)。
……というわけで今回は(というかこれから何回かは)「Air」のレビューをしていくことになる。
いやまぁ、近所のビデオ屋で「Air」のアニメ劇場版を借りてきたんだけど。原作をプレイしたことが無かった(というか積んでた)から、一応観てみるのも良いかな、と思って。
で、そうしたら周囲から物凄い剣幕で止められたわけだ。
「せめて原作をやってから観れ」って。
せめてって何だよという感じなのだけど、まぁ、作品をより楽しめるのに越したことは無い。
二年以上もの間積みっぱなしだった箱を引っ張り出して、プレイしてみることにした。
目標は劇場版を返すまでの1週間以内に終わらせること。……きっついなぁ。
というのも、明日、5/18は僕が数年もの間待ち続けていたゲーム「.hack//G.U.」の発売日なわけで。明日は久々にゲームショップに行く予定。
その誘惑に負けず、「Air」をプレイし続けることが出来るのか、
そもそも、プレイする時間を作ることが出来るのか。
正直自信は無い。
さて。ともかく。
ヒロインは「霧島佳乃」「遠野美凪」「神尾観鈴」の3人。この手のゲームにしては、結構少ない方らしい(今までやったことのあるエロゲーが少なくしかも異色作ばかりなので、こういう恋愛メインのものをやったことが無くて分からない)。
オープニングムービーを見る限り、「神尾観鈴」がメインっぽいのでそれは後回し。まず、「霧島佳乃」から攻略してみることにした。
以下、大まかな印象。
グラフィック。
……正直、かなり癖がある。目が大きく、ちょっと古めの作風という印象を受けた。2000年製作だし、仕方無いのだけど、うーん、僕の趣味に合っているとは正直言いがたい。
まぁ、「ひぐらしのなく頃に」という洗礼を受けた後なので、慣れればあまり気にならないかな。
背景は凄く綺麗です。
音楽。
素晴らしいの一言。
まず、かの有名な「鳥の詩」。オープニングムービーと一緒に流れるのだけど、もうこれが凄く良い。作品の大きな特徴である「夏」を実に上手く表現している。
特に気に入っているのが、
子供たちは 夏の線路歩く 吹く風に 素足を晒して
この部分を聴いていると、情景が頭の中で鮮烈に展開される。
――所々に草の生えた線路を、数人の少年少女が談笑しながら歩いていく。
空には輝く太陽と、立ち上る入道雲。
生ぬるい風が穏やかに吹き寄せ、子どもたちの素足をすぅ、と撫ぜる。
……たまらんね。
他の曲も総じて非常に高レベルで、手放しで絶賛する以外に無い。
シナリオ。
ギャグというか、明るい部分の掛け合いは軽快。読んでいて飽きない。特に突っ込みの時の言葉選びにセンスを感じる。上手いね。
ただ、全体的に冗長かなぁ。ギャグパートはキャラクター同士の掛け合いが面白いのであまり気にならないけど、シリアスなパートになると話が中々進まず、くどさを感じる。かなりダルイ。
まだシナリオの途中なのだけど、このやり方で感動するか、と聞かれたらちょっと疑問かもしれない。
あとは、些細な事なのだけど、三点リーダ(「…」)を2つまとめて使っていないのが凄く気になる。まぁゲームでそういう文章のルールを守るべきか、というのは微妙ではあるけれど、出来ればきちんとして欲しかったなぁ。
概ね良い出来、と言っていい作品だと思う。とにかく音楽面が素晴らしいので、多少問題があってもそっちで強引にフォロー出来そうだし。
まだ佳乃シナリオすら終わっていないから、まだまだこれからだけどね。
佳乃シナリオと美凪シナリオが終わったら、その2つをまとめてまた書く予定。
3人のシナリオ以外にも何かあるらしいので、全何回になるかは分からないけれど、取り敢えず最後までは終わらせるつもり。
エロゲー史上に残る伝説の作品が、これから僕をどう楽しませてくれるのか。期待して、続きをプレイしたいと思う。
Air。
いわゆる「泣きゲー」としてオタク業界(ぶっちゃけるとエロゲー業界)に嵐を巻き起こした作品。
「泣ける」「超泣ける」「プレイ後1週間くらい廃人化した」「これで泣けない奴は人じゃない」など絶賛に次ぐ絶賛を浴び、エロゲー界の伝説となった。
男性向けに作製された物ではあるが、女性ファンも多い(他と比較して、の話だけど)。
……というわけで今回は(というかこれから何回かは)「Air」のレビューをしていくことになる。
いやまぁ、近所のビデオ屋で「Air」のアニメ劇場版を借りてきたんだけど。原作をプレイしたことが無かった(というか積んでた)から、一応観てみるのも良いかな、と思って。
で、そうしたら周囲から物凄い剣幕で止められたわけだ。
「せめて原作をやってから観れ」って。
せめてって何だよという感じなのだけど、まぁ、作品をより楽しめるのに越したことは無い。
二年以上もの間積みっぱなしだった箱を引っ張り出して、プレイしてみることにした。
目標は劇場版を返すまでの1週間以内に終わらせること。……きっついなぁ。
というのも、明日、5/18は僕が数年もの間待ち続けていたゲーム「.hack//G.U.」の発売日なわけで。明日は久々にゲームショップに行く予定。
その誘惑に負けず、「Air」をプレイし続けることが出来るのか、
そもそも、プレイする時間を作ることが出来るのか。
正直自信は無い。
さて。ともかく。
ヒロインは「霧島佳乃」「遠野美凪」「神尾観鈴」の3人。この手のゲームにしては、結構少ない方らしい(今までやったことのあるエロゲーが少なくしかも異色作ばかりなので、こういう恋愛メインのものをやったことが無くて分からない)。
オープニングムービーを見る限り、「神尾観鈴」がメインっぽいのでそれは後回し。まず、「霧島佳乃」から攻略してみることにした。
以下、大まかな印象。
グラフィック。
……正直、かなり癖がある。目が大きく、ちょっと古めの作風という印象を受けた。2000年製作だし、仕方無いのだけど、うーん、僕の趣味に合っているとは正直言いがたい。
まぁ、「ひぐらしのなく頃に」という洗礼を受けた後なので、慣れればあまり気にならないかな。
背景は凄く綺麗です。
音楽。
素晴らしいの一言。
まず、かの有名な「鳥の詩」。オープニングムービーと一緒に流れるのだけど、もうこれが凄く良い。作品の大きな特徴である「夏」を実に上手く表現している。
特に気に入っているのが、
子供たちは 夏の線路歩く 吹く風に 素足を晒して
この部分を聴いていると、情景が頭の中で鮮烈に展開される。
――所々に草の生えた線路を、数人の少年少女が談笑しながら歩いていく。
空には輝く太陽と、立ち上る入道雲。
生ぬるい風が穏やかに吹き寄せ、子どもたちの素足をすぅ、と撫ぜる。
……たまらんね。
他の曲も総じて非常に高レベルで、手放しで絶賛する以外に無い。
シナリオ。
ギャグというか、明るい部分の掛け合いは軽快。読んでいて飽きない。特に突っ込みの時の言葉選びにセンスを感じる。上手いね。
ただ、全体的に冗長かなぁ。ギャグパートはキャラクター同士の掛け合いが面白いのであまり気にならないけど、シリアスなパートになると話が中々進まず、くどさを感じる。かなりダルイ。
まだシナリオの途中なのだけど、このやり方で感動するか、と聞かれたらちょっと疑問かもしれない。
あとは、些細な事なのだけど、三点リーダ(「…」)を2つまとめて使っていないのが凄く気になる。まぁゲームでそういう文章のルールを守るべきか、というのは微妙ではあるけれど、出来ればきちんとして欲しかったなぁ。
概ね良い出来、と言っていい作品だと思う。とにかく音楽面が素晴らしいので、多少問題があってもそっちで強引にフォロー出来そうだし。
まだ佳乃シナリオすら終わっていないから、まだまだこれからだけどね。
佳乃シナリオと美凪シナリオが終わったら、その2つをまとめてまた書く予定。
3人のシナリオ以外にも何かあるらしいので、全何回になるかは分からないけれど、取り敢えず最後までは終わらせるつもり。
エロゲー史上に残る伝説の作品が、これから僕をどう楽しませてくれるのか。期待して、続きをプレイしたいと思う。