アニメ:『うたわれるもの』総評
 
    ――きっと、……また会える日が来る――

         ――きっと――

 
 
最終話マジ泣き。
なんだこの名作は! アニメで泣いたのなんて初めてだっつーの!
最初の一話を観た時はえらくありがちな展開だし微妙かな? と思っていたのだけど、三話辺りからもう、グイグイ引きこまれていった。
途中で戦国伝奇ものからガンダムへ、そしてエヴァへと変わっていった(笑)時にはさすがにビビッたけど、それでも最後まで素晴らしい出来だったように思う。
作画も終始安定していたし、何よりも尺が足りない(と推測される。原作未プレイっつーか、アニメ観て最近プレイを始めたのでまだ途中)中でよくここまで見事に纏め上げた。シリアスなシーンに偏ってしまいがちなところを、五話や十八話の見事なギャグシーンがうまく中和しているし。本っ当に凄い構成。

全ての想いが収束する最終話にはもう、泣かされた。ミコトの「解体」に愕然として、アルルゥの「ちゃんと言うこときく! だから、だから……」辺りで目頭が熱く。そして直後の「この手ではもう、お前を撫でてやることは出来ないな」で涙腺が崩壊した。
「うそつき! うそつきうそつきうそつき! ずっと一緒って言った! ずっと、おとうさんずっと一緒じゃないとやぁ!」
声優さん、その名演技は反則だから……。

で、その後何とか落ち着いたのだけど、クロウ、べナウィ、カルラ、トウカが一斉に武器を構えるところでまたグッとくる。あのシーンには痺れた。各人物の、全てを覚悟したような表情が格好良くて格好良くて。その後の各攻撃も決まってたし。あの場面ってのは、人が神の庇護を放棄し、それを超えていく、まさにその決定的瞬間なのだと思う。

更にその後の別れのシーン、二大好きなキャラのトウカとべナウィでまた泣かされる。特にべナウィとの会話では、ハクオロとべナウィの間の決して揺るがぬ信頼関係がよく現れていて、すごくいいシーンだった。
そして「おとうさんいない、おとうさんいない……」
だからアルルゥは反則だよ!

エルルゥとの別れのシーンはとても綺麗。
ハクオロの「来るな! ……来ては、駄目だ……!」の台詞でまたもグッときた。つーかこのアニメ、声優の演技が凄すぎ。
キスシーンでは、一話から積み上げられてきたハクオロとエルルゥの間の絆がよく現れていたように思う。

エピローグで愕然。ユズハ死んでるよ!
でも、何かが吹っ切れたようなオボロを見ると、「うたわれるもの」はオボロの成長物語でもあったのだなぁ、とか思ったり。
ラストの振り返ったエルルゥは、いったい何を見たのか。
ここはまぁ、やっぱり僕の中ではハクオロ帰還ということにしておく。

一見地味だけど、作画・構成・演技など全ての面で非常に高品質な、本当に素晴らしい作品だった。
今は原作のPC版をプレイしているところだけど、PS2移植版も購入決定。
ここまで手放しで絶賛できるものを久々に見た。文句なしに名作。この上なく満足です。

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