ドラマ:『半分の月がのぼる空 第一話』感想
2006年10月3日 TVいや、期待はしていなかったんだけどね……。
というわけで、ライトノベル原作「半分の月がのぼる空」の実写ドラマ、第一話を観ての感想。ちなみに原作については完っ全に信者で、もうほんとに崇拝している。六巻以降の、里香を過剰に持ち上げるような描写にはちょっと閉口したけど、四巻までの心理描写が素晴らしすぎる。二巻ラスト、三巻の山場、四巻の「夢」の各シーンはライトノベル史に残る名場面だと思う。冗談抜きで。
で、ドラマの出来はどうか、というと。
案の定ひどい。はっきり言って想像以上だ。
まずね、裕一が登場する最初のシーンからして有り得ない。なんで走ってるのさ。えとさ、一応、肝炎で入院しているっていう設定のキャラなんだけど。原作じゃそんな描写も無かったし、意味も無く走り出すような熱血少年じゃないことは明白なのに。そして独白棒読みきたー。予想済みとはいえ、モノローグがこの上なく重要な役割をしている原作を考えると、これは正直つらいなぁ。
帰ってきたところで里香と遭遇。ねーよ。なんで里香があんな深夜に西病棟にいるんだよ。一人でうろうろ出来るような体じゃないだろうが。
そして亜希子さん登場に吹いた。老けてるー! いや、冷静に考えれば、現実にあんな若い看護士がいるわけないんだけど、それでもこれは酷い。そして何をするでもなく立ち去る里香。うーん、このシーンに二人の出会いを追加した製作側の意図がよくわからない。
そして病棟で裕一が二人の少年と談笑している場面。……一人は山西でいいとして、もう一人は、いやまさか、奴がこんな貧弱な体格なわけが無い。無いのだけど、何なんだこの迸る嫌な予感はっ!
「お前はいいんだよ、司」(台詞かなりうろ覚え)
…………あ、彼がやっぱり司なのね。原作だと、身長187?、体重92?となっているのだけど。ああ、うん、ねぇ。
「裕ちゃーん」(台詞うろ覚え)
何このいきなり登場してめっちゃ馴れ馴れしい美少女。
……みゆきか。えー、幼なじみとはいえこの二人はあんまり仲良くなくて、みゆきと裕一は冷戦に近い関係にある筈なのだけど、なんだかみゆき→裕一のフラグが立っているように見えるのは僕だけ? おかしいよね?
とどめは裕一が図書館に行くシーン。半袖半ズボンで裕一が一言。
「あっちぃー」
夏かよ。蜃気楼立ってるよ。
原作だとコートを着て、それも寒くて寒くて仕方が無い『今日は今年一番の寒さです!』ってお天気お姉さんが断言するシーンなのだけど。原作でも暑がるシーンはあったけれど、それは先の先の先の話、「人間失格」を買いに行って「チボー家の人々」を見つけるところじゃなかったかな。五巻だよねあれ。今は一巻のエピソードを消化しているところだよね。あのさ、冬のあの凛、とした空気があってこそ、後々の手をつなぐシーンとか沈黙とかが生きてくるんだと思ってたけど、製作側と僕の感性の間に凄まじい断崖絶壁が無いかな?
まぁ、演技が下手なのは仕方が無い。深夜帯だし、ライトノベルとドラマという2ジャンルの相性は最悪だろうし(対象にしている層からしてね)。予算はショボショボで、新人俳優の練習場みたいになるのもまぁ、理解できるし、許容できる。
だけど、原作者の橋本紡のBLOG(http://nekodorobo.exblog.jp)によると、この実写ドラマ化の話は、原作を読んだ製作側が「ぜひやらせてください!」と持ち込んできたものらしい。
それでこの原作の理解度の低さは、正直あんまりじゃないかと思う。というか、橋本紡に非常に失礼なことじゃないのか。本当にスタッフは原作読んでるのか。
正直なところ、「原作を生かして良い物を作ろう」という製作側の士気がまったく感じられないのだけど。完全にやっつけ。
うーん、なんかなぁ。原作信者としては、ちょっと怒りを覚える出来だったかな。笑うネタにもならない。
どんなに演技が酷くとも、原作をちゃんと理解していて、その良さを生かそうとしていればそこそこ観られる作品にはなる筈なのに。
とても残念だ。
というわけで、ライトノベル原作「半分の月がのぼる空」の実写ドラマ、第一話を観ての感想。ちなみに原作については完っ全に信者で、もうほんとに崇拝している。六巻以降の、里香を過剰に持ち上げるような描写にはちょっと閉口したけど、四巻までの心理描写が素晴らしすぎる。二巻ラスト、三巻の山場、四巻の「夢」の各シーンはライトノベル史に残る名場面だと思う。冗談抜きで。
で、ドラマの出来はどうか、というと。
案の定ひどい。はっきり言って想像以上だ。
まずね、裕一が登場する最初のシーンからして有り得ない。なんで走ってるのさ。えとさ、一応、肝炎で入院しているっていう設定のキャラなんだけど。原作じゃそんな描写も無かったし、意味も無く走り出すような熱血少年じゃないことは明白なのに。そして独白棒読みきたー。予想済みとはいえ、モノローグがこの上なく重要な役割をしている原作を考えると、これは正直つらいなぁ。
帰ってきたところで里香と遭遇。ねーよ。なんで里香があんな深夜に西病棟にいるんだよ。一人でうろうろ出来るような体じゃないだろうが。
そして亜希子さん登場に吹いた。老けてるー! いや、冷静に考えれば、現実にあんな若い看護士がいるわけないんだけど、それでもこれは酷い。そして何をするでもなく立ち去る里香。うーん、このシーンに二人の出会いを追加した製作側の意図がよくわからない。
そして病棟で裕一が二人の少年と談笑している場面。……一人は山西でいいとして、もう一人は、いやまさか、奴がこんな貧弱な体格なわけが無い。無いのだけど、何なんだこの迸る嫌な予感はっ!
「お前はいいんだよ、司」(台詞かなりうろ覚え)
…………あ、彼がやっぱり司なのね。原作だと、身長187?、体重92?となっているのだけど。ああ、うん、ねぇ。
「裕ちゃーん」(台詞うろ覚え)
何このいきなり登場してめっちゃ馴れ馴れしい美少女。
……みゆきか。えー、幼なじみとはいえこの二人はあんまり仲良くなくて、みゆきと裕一は冷戦に近い関係にある筈なのだけど、なんだかみゆき→裕一のフラグが立っているように見えるのは僕だけ? おかしいよね?
とどめは裕一が図書館に行くシーン。半袖半ズボンで裕一が一言。
「あっちぃー」
夏かよ。蜃気楼立ってるよ。
原作だとコートを着て、それも寒くて寒くて仕方が無い『今日は今年一番の寒さです!』ってお天気お姉さんが断言するシーンなのだけど。原作でも暑がるシーンはあったけれど、それは先の先の先の話、「人間失格」を買いに行って「チボー家の人々」を見つけるところじゃなかったかな。五巻だよねあれ。今は一巻のエピソードを消化しているところだよね。あのさ、冬のあの凛、とした空気があってこそ、後々の手をつなぐシーンとか沈黙とかが生きてくるんだと思ってたけど、製作側と僕の感性の間に凄まじい断崖絶壁が無いかな?
まぁ、演技が下手なのは仕方が無い。深夜帯だし、ライトノベルとドラマという2ジャンルの相性は最悪だろうし(対象にしている層からしてね)。予算はショボショボで、新人俳優の練習場みたいになるのもまぁ、理解できるし、許容できる。
だけど、原作者の橋本紡のBLOG(http://nekodorobo.exblog.jp)によると、この実写ドラマ化の話は、原作を読んだ製作側が「ぜひやらせてください!」と持ち込んできたものらしい。
それでこの原作の理解度の低さは、正直あんまりじゃないかと思う。というか、橋本紡に非常に失礼なことじゃないのか。本当にスタッフは原作読んでるのか。
正直なところ、「原作を生かして良い物を作ろう」という製作側の士気がまったく感じられないのだけど。完全にやっつけ。
うーん、なんかなぁ。原作信者としては、ちょっと怒りを覚える出来だったかな。笑うネタにもならない。
どんなに演技が酷くとも、原作をちゃんと理解していて、その良さを生かそうとしていればそこそこ観られる作品にはなる筈なのに。
とても残念だ。
コメント